認定NPO法人「心のおしゃべり音楽工房」は、次のような３つの事業の柱を掲げ、活動しております。
1.障がい者のための音楽芸術活動支援 ミュージカルスタジオ・ナイトケア事業
音楽療法は、言語だけではコミュニケーションが十分に取れない方々たちにとって、意味・内容の伝達とは別の音楽という情緒的に理解しあうための言語で心がつながる体験を繰り返ししてもらえる、他には変え難い支援方法です。家族といえど、言葉でのコミュニケーションが主体の家庭、指示やお願いを言葉で聞くことばかりの社会生活、そんな中で、その意味や内容が十分に理解できずに、心が不安に掻き立てられている方々は、言語理解が発達中の小さなお子さんから、認知症の進んだお年寄りまで、そして、知的な後退はないものの認知の障がいが出るといわれる統合失調症などの精神疾患をお持ちの成人にも、たくさんいらっしゃいます。
こうした方々は、とかく「支援の谷間」に陥りやすく、その本当の苦しさを訴えられる場所を持っていません。音楽という非言語交流は、こうした方々にとって、気持ちが解ってもらえて、言いたいことをほんの少しの言葉で出すだけでも、より多くの支援に繋げてもらえるようになるための、そして、日頃発信できないでいる情動を解放して明日の生きる力に繋げるために、さらには、社会の一員として生きていく上でとても大切な活動なのです。
25年間、障がい者の方々と音楽活動をしてきましたが、音楽をやり取りするときに彼らからこぼれてくるピュアで心洗われる満面の笑顔は、家族や介護者への何よりの報酬でした。そんな彼らの幸福感を、地域の皆様にもぜひ見守っていただきたいのです。
でも、音楽は音を出します。彼らの思いが大きければ大きいほど、出てくる音も大きいです。このため、音楽ができる場所は、東京都という都市の住宅街にはほとんどありません。公共の施設をお借りして活動してはおりますが、毎回イベントのように機材を運び込んだり運び出したりしなければなりません。このため、活動場所、人、移動で壊れやすい楽器、その置き場所などに、さまざまなご支援を必要としています。どうか、新たなコミュニティの建設に向け、お一人でも多くの市民の皆様、お力をお貸しください！
このたび、私たち心のおしゃべり音楽工房は、皆様からの貴重なご支援をいただく資格のある非営利活動を目指して、公益財団法人 日本非営利組織評価センターよりグッドガバナンス認証を取得しました。
2.初歩前からの乳幼児の情緒的コミュニケーション支援のための音楽芸術活動 子育て音楽サークルＡｉＡｉ
イヤイヤ期が始まる前から、気持ちが通じる発信を音楽で支えられるという体験を、乳幼児期のお子さんたちとその保護者・保育者に届ける活動です。この子たちが未来に作る社会が、心のインクルーシブを実現できる真に優しい社会になってほしいという願いをこめた期間限定サークル活動です。子育て世代は、共働き世帯が年々増加していますが、同時に育児の負担や家計に余裕がない傾向も増えていると言われています。少しでも、それらの負担が抑えられるよう、子育てデビュー家庭（世帯）への応援プログラムとして、参加料金を抑えています。うちの子、泣いてばかりいるなーという心配がある方は特にぜひ！ご相談を！
3.生きにくさや不安を抱える方々のための音楽芸術活動支援 My Song Club／Sing ＆ Movement事業
声の大きい人が偉い人と勘違いされる世の中は終わりました。でも、いまだにそうでない学校教育も多い。そして、人生には何が起こるかわかりません。未来が予測不能であることの不安から、若者たちの中にも、HSPや自閉傾向、自殺志向（専門的には希死念慮と言います）、こもり人やニートと呼ばれる生き方をする人が増えています。中高年男性の自殺も減りません。これらの方々は、言語でのコミュニケーションが十分取れるはずの方々なのに、なぜでしょう？
世界は音で溢れています。嫌な音ばかりに囲まれていても、よほどの変化がない限り、また同じようにやって明日。心身を整え、真に健康でいるために、あるいは、不調を改善するために音楽家や音楽愛好家たちとともによりよい音環境で行う音楽芸術活動で、生きにくさの克服を試みて欲しい、この活動は、希望する人や団体とのコラボレーションによってイベントを立ち上げたり、サークルを作ったりして行っていく事業です。また、KooKの活動にボランティアとしてご参加いただき、自己効用感の向上を少し繰り返し体験していただくことで、さまざまな不調に対し、自己治癒力を高めていただくこともできます。
障がい者のための音楽芸術活動 ミュージカルスタジオ・ナイトケア事業と、子育て世代と乳幼児のための音楽芸術活動 子育て音楽サークルＡｉＡｉには、決まった活動場所も、利用できる制度もなく、実はとても困っています。さまざまなプロジェクトの立ち上げ・イベントの開催・楽器の購入と維持・現場で参加者の送迎に見守り、準介護的なお世話、音楽活動の手助けができる音楽家や音楽療法士の人件費などには、多くの費用が必要となります。
これらの活動を希望されるご家族に、金銭的なご負担が大きくなりすぎないように、一人でも多く届けられますよう、どうかご支援をお願い申し上げます。
代表理事 中 井 深 雪
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