音楽を使って心の状態を好転させたり、直したい癖を直したり、発達を促したりする心理療法です。
最もご相談が多いのは、言葉の出かたや身体能力について、ちょっと心配がある、というお母さんからのお子さんについてのご相談です。
また、音楽がお好きなお母さまや、お子さんが音楽が好きだから、というのも多いです。
自閉症スペクトラムのお子さん、発達障がいや言葉のおくれが見られるお子さん、後天的に重度の障がいを負われたお子さんもいます。
その一方、心と体の発達のアンバランスが気になるだけのお子さんも。そうしたお子さんの中には、きわめてIQの高いお子さんもいて、Everything is OKな音楽という活動の中でぐんぐんその才能を伸ばし、東大理Ⅲにストレートで合格されるような青年も育っています。
音楽が好きな方、好きな音楽がある方になら誰にでも効きます。
音楽療法は、歌や楽器のレッスンとは違いますので、何も演奏できなくても大丈夫です。練習もありません。
お子さんの音楽療法では、お母さまが同室しないものも多いのですが、心のおしゃべり音楽工房の音楽療法では、お母さま同室が原則です。「参加観察」という形でご一緒していただき、時にセラピストを通して一歩引いた形で関わりをご覧になっていただくことで、普段見極めきれないでいるお子さんとの関係について、お母さまご自身でさまざまな整理をしていただけます。
音楽療法は、音楽を使って、その方の心のエネルギーを引き出します。心のエネルギーとは、「創造力」のことです。創造力が高まると、個々の方々が今、改善したいと願っていることに対し、自然と自ら向き合おうとすることがよくみられます。発達の支援、自閉性の軽減、感覚過敏の緩和、うつの改善、マヒや硬縮の緩和、心身症の軽減、認知症やコミュニケーションの障がいの改善などにその効果を発揮するとされています。
遠方の場合にはセッション・フィーが少し割高になり、交通費等の実費が別途となりますが、ご自宅に伺っての訪問療法もさせていただきます。楽器を運搬するため、車での訪問となりますので、駐車場がご自宅か近くにあると助かります。
赤ちゃんからお年寄りまで、音楽を使った心理療法を受けてみたい方ならどなたでも対象者です。
音楽療法は心理療法です。心理療法としての音楽療法を受ける目的さえあれば、障がいの有る無しは関係ありません。仮に、綺麗になるため、痩せるため、美しく年を重ねるため、友達をびっくりさせたいからひそかに歌を練習するため、などの目的にも、音楽療法はそのお手伝いをいたします。
お子さんの音楽療法では、お母さまが同室しないものも多いのですが、心のおしゃべり音楽工房の音楽療法では、何歳になってもお母さま同室が原則です。ただ、小学校3年生以上になりましたら、お母さまかお子さんご自身の強いご要望があれば、別室でのご待機、あるいはセッションの送迎だけをしていただく、という形でもご相談に乗っています。大体、中学以降、あるいは高校以降の特別支援学級のお子さんは、お一人でいらっしゃいます。また、概ねお子さんが高校生になると、お母さまは室内のマッサージチェアでお休みいただき、見て見ぬふり、聞こえないふりをしていただくことが増えます。
音楽療法の利用者さまに準備していただくものはありません。
ただ、セッションは、記録と評価、次のセッションの計画のためにICレコーダーとVTRで記録を取っています。その音声記録や記録動画をお持ち帰りになりたい方は、8GB以上くらいのUSBメモリーをお持ちください。また、ご一緒に歌った歌の譜面などをお持ち帰りになってコレクションされたい方は、マイ・ファイル(クリアファイル)をお持ちください。
稀に、セッションが進んでいくにつれ、ピアノを弾きだすお子さんや、リコーダー演奏をなさるお子さんがいらっしゃり、こうした場合には、ある程度準備することが出てくる場合もありますが、それも任意ですので、まずは手ぶらでお越しいただいて大丈夫です。スリッパも要りません。また、音楽室での飲食は原則禁止ですが、水分補給は是非していただきたいので、お茶、お水など、楽器にかかっても問題のないものはお持ちいただければと思います。
もちろんできます。
音楽療法の効果の有無には、さまざまな評価手法や考え方がありますが、本人が有ると思えば有る、無いと思えば無い、という結果になりやすいかもしれません。ただ、有るとしたらまず真っ先に、コミュニケーション意欲の変化に現れます。誰かに伝えたい、聞いてもらいたい想いが湧くのです。だから、それを表現するための手段をより広い視野で探そうと、頭の回転も活性化します。
付加価値的に、思いもかけなかったことに効果があった、という場合もありますが、逆に、思っていたのとは違っていたり、期待通りの効果が得られなかった、ということももちろんあり得ます。
心のおしゃべり音楽工房の個人セッションは、お子さんの場合には予めお電話等で保護者様とご連絡を取って、アプローチの計画に必要な現在のお子さんの状況についてヒヤリングをさせていただき、個々のためのセッションの計画を作成して行います。大人の方も同様に、お目にかかって詳しくお話を伺った上で、その方のためにのみ効果があると思われるような工夫をして音を使ったセッションに入って行きます。人の手はたくさんかけます。しかし、工房音楽室での音楽療法は収益事業ではありません。音楽室を利用し、音楽療法をお受けになってくださる、利用者さんたちの会費で運営されている特定非営利活動です。このため,民間の収益事業にあるような「お試し無料」のサービスは設けられていないのです。
音楽療法は、グループ療法であっても、基本は「個人療法」です。個々のニーズに沿ったアプローチで効果をじっくりと深めていくことができるのが良いのですうが、グループ療法が必要、という場合もあります。具体的な相手のあるコミュニケーションの改善、環境適応力の強化、対人技術の向上、などの目的に絞って、集団力動を利用してアプローチしていくことが望まれるケースには、グループ療法が適します。
また、一対一の対人関係では十分なやりとりができるので変化が期待できない、というケースもグループが良いでしょう。
精神科の患者さんもグループが適しています。なぜなら、顕在意識を自分の内側ではなく、外側に向け、他者の話、他者の出す音などを聞き分け、受け入れるということができると、不快な症状が和らぐからです。
認知症が軽度のお年寄りや、きわめて軽度の広汎性発達障がいをお持ちの学齢期のお子さんも、個人療法よりはグループ療法に向いていることがあります。これらの方々は、誰かに一対一で「教わる」という雰囲気やイメージの状況では、逆に緊張したり、気を使いすぎたり、反発したい気持ちが現れたりしがちなことが多いからです。
ただ、精神科の患者さんを除けば、いずれの場合も、グループの人数は多くない方がよく、自主グループなど、個々人がご自身のために組む集団であれば、3~6名程度までをお薦めしています。
但し、契約施設などでの集団セッションは、これとはまったく異なります。こちらは、個々の方々のオーダーではなく、施設からのオーダーになりますので、諸条件はすべて契約施設の介護あるいは療育計画次第となります。
工房音楽室でのセッションの頻度は、2週間に1度を主に推奨しております。たまに、集中的なケアが必要なケースでは、1週間に1度いらしていただくことがありますが、2週間に1度程度の方が、現代の生活に活動を組み込みやすく、また支出にもあまり無理がなく、コンスタントにお続けになりやすいようです。ご要望によって、頻度についてはフレキシブルに対応させていただきますが、改善したい具体的な目標がおありの場合には、できる限り2週間に1度以上はセッションされた方が、前回の効果が消滅しないうちに次のセッションが来る、というサイクルを保てます。1ヶ月に1度だと、就学前の場合には「維持」に留まってしまいやすいと考える向きもあります。
対象者(児)によって、プログラムは個々さまざまです。歌あり、楽器(ピアノ・シンセサイザー・電子ハモンド鍵盤・ピアニカ・各種打楽器・リコーダーなどなど)有り、作曲有り、即興有り、ミュージカル療法有り、おしゃべり有り、バルーンなどによる運動音楽療法有り、マッサージチェアでのリラクゼーション療法有り。
通常想定されるような音楽を用いた活動全般の他に、シンセサイザーによるBGMをバックにGoogle Earthで世界旅行を楽しむお子さんや、ご自慢のバリトンでドイツ歌曲をたくさん歌われるご高齢の男性、時間内全部リクエスト曲でコンサート風に展開する未就学のお子さん、心の声を作詞されて曲をつけてもらいたい女性、朗読に効果音をつけて欲しい女性、などもいらっしゃいます。
音楽療法には、大きく分けて2つのカテゴリーがあります。
自ら演奏に参加する「能動的音楽療法」と、リラックスしてCDや生演奏の音楽をお聴きになり、それからイメージされていることなどについてゆっくりとお話をしていただくような「受動的音楽療法」です。
心のおしゃべり音楽工房では、主として「能動的音楽療法」を行っておりますが、どちらの活動もご依頼者のご希望に沿って行います。
「守秘義務」は、音楽療法士が所属する日本音楽療法学会の認定規則の中に、倫理綱領とともに明記されています。
心のおしゃべり音楽工房もまた、2017年1月の総会で倫理綱領を定款に加え、さらに「個人情報保護法」の観点からも、プライバシーポリシーを宣言しております。
ご要望があれば、誓約書も作成いたします。
選べます。
当工房では、最も多いのは、お子さんで、特に自閉症スペクトラムのお子さん、知的障がいのお子さん、そして、重度心身障がいのお子さんなどです。大人の方では、摂食障がい、うつ病、統合失調症、心身症、大人の発達障害、脳血管性障がいの後遺症をお持ちの方、更年期障がい、神経症圏の方、などが訪れてくださいます。また、最近になって、認知症を患うお母様のために、ご自身が受けて学ぼうとしておいでになる方もいらっしゃいました。
特に多いのは、お子さんが3歳健診で発達の遅れ(一部なり全体的になり)を指摘され、療育を受けることになったが、平行して音楽療法による発達支援に期待したい、というご相談です。
次に多いのは、大人の方の発達障がいや精神病圏で、社会との隔絶感を軽減したり改善したりするために音楽療法を受けてみたい、というご相談でしょうか。
工房音楽室は、民家の地下居室を改造した、ちょっと隠れ家風の趣のある楽器のおもちゃ箱のような天井の低い部屋なので、あまり外に開放的でないことが、こうした方々にとっては却って安心感をお持ちになれるようです。
ズバリ、お子さんの場合には、軽度なら3か月~半年(6回~12回)、中度なら1年~2年(24回~48回)、重度の場合には、3年~4年(72回~96回)くらいで、一つの目標が達成されたと感じられるようなはっきりとした効果を確認できました。
大人の方の場合には、ご自身で効果を確認できることもあり、人さまざまで一概には言えません。私たちが効果だと思う事とご本人が効果だと思う事が一致しないこともあります。ただ、音楽療法は、セラピストとの関係性の中でリラックスできるようになり、コミュニケーションが深められるようになることでその効果を発揮しますので、これらが確立されるまでが一つの目安です。たった1度で効果のある方もあれば、その日は十分リラックスして帰られても、次にいらっしゃる時には、また緊張度が元に戻ってしまっている、ということが繰り返される方もいらっしゃるために、期間がまちまちになる、ということです。
ちなみに、「導入期」はおよそ6回くらいまでという目安を持っております。
それは、親御さんもご自身のための音楽療法をお受けになる、ということでしょうか。もしそうであれば、ご一緒にではなく、別の時間枠を利用していただくことになります。が、お子さんが楽しい事がなんなのかを知って、ご自宅でもその楽しさを分かち合えるようになることは、お子さんのためにも、お母さんのためにもとても良いことです。お母さま、あるいはお父さまはご一緒にセッションに参加していただくことが当工房での原則ですので、単に同室でのセッションをご希望であるだけという場合には、もちろん同室していただけますし、基本的にはあくまでお子さんの発達支援や行為改善などに目標を置かれるお母さま、お父さまの方が多いようです。
お電話やメールで随時お受けしております。キャンセルの場合は、午前中のセッションの場合も午後からのセッションの場合も、当日の朝9:00までに、とお願いしておりますが、急な発熱、不調、インフルエンザ、台風、地震など非常時には、例外としています。
ただ、何のご連絡もなく無断で欠席された場合、珍しいうっかり忘れや、ご予約者がご本人の場合でもお母さまの場合でも、それぞれの病状やお体の不調などの有る場合がございますので、その点は考慮いたします。
これ以外のドタキャン、無断欠席、度重なるうっかりの場合のみ、手配したセラピストの交通費など、経費が発生するため、ご予約された分のセッション会費のお支払いをお願いしております。
そうありたいと思います。そして、そうあるために、私たちは自らが出す音によるご依頼者の反応、表情などを見逃さないようにし、常に音を調整しようと努めております。
特にありません。ご希望があればお手伝いはいたします。
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