スタッフ日誌

2012年03月20日

3月20日

今日は春分の日ですね。
春一番 って、立春~この春分の日までに吹かないと、もう吹いても「春一番」とは言わないそうです。
だから、今年はもう、春一番は吹かないんですね。

いよいよ春です。

さて、音楽室を訪れてくれているこどもたちの中に、この3月23日、小学校を卒業するお子さんが二人、います。先日のスタッフ日誌でもご紹介した、ゆうちゃんとしゅんくんです。
今日は、ゆうちゃんのエピソードもご紹介したいと思います。

二人とも、幼稚園から一緒に成長してきたこどもたちです。
そして二人とも、音楽が大好きです。

しゅんくんは、リズム感を全身で表現してくれるタイプで、幼稚園時代から、好きな音楽が鳴ると、かっこよく腰を振って踊り出しては大人たちの気分をアップさせてくれました。

今はしゅんくん自身がだいぶ大人になって、できる事とできない事が自分でもいろいろ分かって、たくさん傷ついて、それでも明るい笑顔と笑い声を絶やさず、聡明で回転の速いお母さんと丁々発止の言葉のやりとりができるまでに成長して、身体全体でノリを表現するほどにはなかなか踊ってくれなくなりましたが、その分、大きな声で歌を歌ってくれるようになりました。

一方ゆうちゃんは、幼稚園時代にはもう、コード(ネーム)への興味をきっかけに絶対音感ゲームなどをクリアしていて、小学校に上がるとあっという間に完璧な和声感覚を身につけ、今では自分で検索したアニソンやNHKのこどものうたの中から、私が聞いてもなんていい曲!と感嘆するような歌を探し出しては、音楽室で二人のセラピストを相手に演奏し、小学校高学年からピアノも別途習い始めたので、知っている曲なら楽譜なしでピアノで一通り伴奏にも回れますし、シンセサイザーでコーラスやオブリガードなどの即興プレイでも参加できますし、歌に合わせて多彩なリズムを駆使したドラムも叩けますし、歌も、最近声変わりが少し始まったため、以前ほど積極的ではなくなりましたが、ファルセットも使える歌えば見事なボーイソプラノでフリまで付けて歌ってくれます。
(NHKこどものうた に関しては、「博士」の称号をあげたいほどよく知っているゆうちゃんです。)

でも、6年生になってからは、何を思ったのか、気まぐれにふざけて、わざと私が弾いている原曲の調と半音ずらした調で重ねて演奏してウケを狙う、原曲に、わざと別の既成曲を重ねて演奏して混ぜくり返す、といったプレイが続いていました。…まぁそんなことができること自体が既に見事なのですが…。(やってみてください、難しいです^^;)

そんなゆうちゃんが、お母さんや私が、そうしたプレイではあまり喜ばない、むしろ不快感を感じるのだという事を受け入れ始めたのか、それとも音楽の美しさを表現したいという気持ちがアソビの欲求に勝ったのか、ここ3回ばかり、真面目に演奏に参加してくれる事が増え出したのです!

では、そんなゆうちゃんの、最新のシンセサイザー・オブリガードを聴いていただきましょう。

曲は、♪春よ、来い で、ピアノの弾き歌いを私がし(いっぱい間違えてます、すみません(^_^;))、彩音先生が、ゆうちゃんの楽譜やプレイに必要最低限の介助と見守りをしながらパーカッションとコーラスを担当。

シンセサイザーで聴こえてくる、メロディーでも伴奏でもシンバルかスネアかボンゴでもない音は、すべてゆうちゃんのソロ・プレイです。

ここでゆうちゃんは、原曲が持つ音楽の3要素(メロディー・ハーモニー・リズム)に重ねられる音色や旋律をさまざまに試しています。
うっかり調が外れすぎたり、心地よい響きが得られないと感じたらさっと踵を返して修正したり変更したりもしています。
でも一方で、いくつか試してみたけど、ちょっと気分的に飽きたとか、判らなくなったとか、何か音楽情緒とは別のそうした感情が現れると、少々乱暴な音でそうした感情も教えてくれます。
ただ、そこで以前なら、そのまままったく別の曲に一人で変えてしまったり、演奏をやめて立ち上がり、一人で気になる曲集をめくり出したりしたのですが、今は違います。切り替えて、また新たなチャレンジを開始し、曲の最後までシンセサイザーの前を離れないで演奏できるようになりました。

中学は、もしかしたら、同じ学校には通えなくなるゆうちゃんとしゅんくんですが、一方がふざければ一方が笑う、その個性の違いから、6年間、担任の先生に「凸凹(でこぼこ)コンビ」と呼ばれ、ペアで活動する事も多かったと聞きます。

特別支援学級のこどもたちの小学校時代は、通常級のこどもたち以上に成長過程の凝縮した、お母さんたちの団結と助け合いの気持ちの詰まった、かけがえのない時代です。

二人の卒業をお祝いさせてもらえるほど長くおつきあいができた事に、心から感謝しています。

ゆうちゃん
しゅんくん

ご卒業、おめでとう!

註)このエピソードと音声・写真をご紹介するにあたっては、クライエントのお母さまのご承諾をいただいております。ご承諾、ありがとうございました。
セラピストの呼び名は、クライエントからの呼び方に従って表示しています。

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