スタッフ日誌

2012年01月20日

1月20日

「Music Therapy Network」を意味する「MTN」が「MTN世田谷対話音楽工房」としてスタートしたのは1998年7月7日でした。
以来、丸13年と7か月、今年はその音楽療法士学会認定のお手伝いをさせていただいた仲間の5人目が、「日本音楽療法学会認定音楽療法士」となりました。
新しい仲間はなんと、私とは25歳の年の差のある若手です。
また、現在チームでセッションに携わってくれている3人のスタッフは、音楽療法における考え方やアプローチ法、臨床技術、対象者理解の背景理論などを見事に共有できるスタッフに育ってくれました。
そこで、生誕半世紀を迎える今年、私は一つの決心をしました。
それは、「臨床そのもの」と「後進の育成」だけに力を注いできたこれまでの方針をほんの少し見直し、私が築いてきた現場を、若い二人の音楽療法士たちに将来そのまま引き継いでゆけるような形にしていくことと、そして、このチームでこれまで創り上げ、やり遂げて来た音楽療法の素晴らしさを、少しでも多くの方々に知っていただく機会を、さまざまな形で増やしていこう、という新たな方向転換でした。

なぜNPOや有限会社などの会社組織にしないのか、と申しますと、それは、そうすることで、足りない時間をさらに奪う余分な「会議」や、銀行との取引の煩雑性、また、臨床における責任の所在の微妙な曖昧性などが生まれる可能性があるからです。
入って来るのは、1つ1つの珠玉のセッションでいただく報酬のみのグループです。
今後も、ほとんど金銭的な余裕はありませんが、当分は、私個人で取れる責任の範囲で、できる限りの質の高いセッションを提供し続けられるグループでありたいと思っております。

日本は、日本人の未来のための、日本独自の音楽療法を確立すべき時代に来ています。
昨年の東日本大震災を機に、100%ボランティアやチャリティーのたくさんの復興支援ソングが今も生まれ続けているのは、「ひとつ」になろうとしている日本の「ふるさと」への想いや、こどもたちの分け隔てない未来への想い、高齢化社会を迎えるにあたっての生涯現役性への想いや、お金の有る無しにだけ左右されるのではない、心豊かな生活の希求、そうした「想い」を共有できると信じられる、仲間たちと分かち合いたい何かが育ち始めているからだと信じています。

私たちの音楽療法による社会参加も、こうした想いをお支えできるもので有り続けたいと願っております。

そこで、このホームページの11年ぶりの完全リニューアルに当たり、これまでの屋号を地域名のある「MTN世田谷対話音楽工房」から「MTN心のおしゃべり音楽工房」と改めさせていただくことにいたしました。

「心のおしゃべり音楽室」の名は、1996年以来、私が主宰した主に移動音楽室にて使ってきた名称です。

音楽は心のおしゃべり。
言葉がなくても伝わる思いの発露です。
多くの方々のそうしたさまざまな思いを、一つにしてゆける社会になりますように。
大きな希望と願いをこめて、今、新しい気持ちでのスタートをさせていただきます。

どうぞ、「MTN心のおしゃべり音楽工房」も、これまで同様、皆さまの「想い」で育ててやってくださいますよう、心よりお願い申し上げまして、ホームページ完全リニューアルならびに屋号変更のご挨拶とさせていただきます。

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