スタッフ日誌

中井深雪

2015年06月09日

【近況報告】

ジャスト20年前の今日、1995年6月29日に、私は「音楽療法」に出会いました。
今日は個人的には邂逅記念日です。

先日、6月18日に行われたMTN心のおしゃべり音楽工房2015年度総会では、現役スタッフが音楽室に集まり、来られない人はSkypeで参加して、前年度決算報告、今年度予算計画、そして、今年度中に設立予定のNPO心のおしゃべり音楽工房の内容について、定款や設立趣意書などの説明を行い、全員に承認してもらいました。
また、現時点での団体としての会則も公開させていただくことになりました。

まもなく、MTN心のおしゃべり音楽工房設立17周年を迎えます。
現在、上馬5丁目音楽室のご利用者さまから戴いております音楽療法士への報酬が、MTN心のおしゃべり音楽工房年間収入の3分の2を占めております。
そのことに、スタッフ一同、かなり驚いておりました。
近年お約束の通り、MTNは今年度中にはNPOに変わります♪
その詳しいことにつきましては、また改めてご報告させていただきます。

【NHKの意味!?】

さて、先日こんなことがありました。
ダンスが得意で、かっこいい音楽が大好きなSくんとのセッションでの出来事。
高校生になった彼とのセッションは、ここ1年くらい、テーマに沿ってジャンルごとに楽曲を選曲し、そのすべての曲について、セッションの終わりに「良かった」「良くなかった」を、Pin-BooのiPadアプリの音で教えてもらう、という形式で行ってきました。

そのジャンルとは、
(1)導入ノンジャンルより
(2)童謡唱歌より
(3)NHKのうた(朝ドラやみんなのうたやおかあさんといっしょも含む)より
(4)J-POPを中心とした流行曲より
(5)ディズニー・ジブリ・アニメ・ボカロソング・洋楽スタンダード(ポップス、ジャズ、映画)より
(6)スクールソングを含むその他邦楽スタンダード、外国民謡より

というものです。だいぶ慣れていて、Pin-Booの判定が速くなってきたSくん、特にノリノリだった5月の2回目のセッションで、 「はい、それではいつものように、判定していただきましょう。まずは、はじめの曲」と私がピアノでその曲と判るフレーズを弾くとピンポーン!と「良かった」を鳴らしてくれました。
「では次、童謡唱歌からは今日は…」とその日選曲した♪アイスクリームのうた のイントロを弾くと「ピンポーン!」 私が、「はい!♪アイスクリームのうた でした。ありがとう!では次は…」 と続けます。「NHKのうた」そう、言った途端でした。Sくん、 「N・H・K」と言いながら「ピンポーン!」
私が、その日選曲していた♪風が吹いている(いきものがかり 2012ソチオリンピックテーマソング)のフレーズを演奏する前の出来事でした。
二人のセラピストとお母さんは大笑い!「NHKの歌は何でも好きなのねぇ!」とそのSくんの決めつけが可笑しかったのは言うまでもありませんが、Sくんはこれまでもそうやって、思いがけない反応で周囲の大人たちを急に笑わせてくれるようなユニークさがあり、それがお母さんの楽しみの一つでもありました。

けれど彼も高校生、ここのところようやく、私がずっと出てこないなぁと心配していた「自尊心」が強く芽生え、もしツッコミどころを間違えて、Sくんが「笑われた」=馬鹿にされた、とか、からかわれた、と感じるようなことがあると、相手が大好きなお母さんでもはっきりと怒って、不快感を露わにしてくれるようになりました。

その後最新の彼は、WAVE-Drumという楽器のリズムパターン選びにハマっています。
実は彼が好きな音楽ってセラピストの私たちが聞いても本当にかっこよくて、リズムがタイトでアクティブなものなんだということが判ってきました。
Sくんが選んでくれるリズムに、私が即興でピアノをつけていきます。
もともとダンスのセンスがあるSくん、それに目を閉じて浸りながら、自分でも自由に鳴らしたい楽器を鳴らしたり、首や体を振ったりして乗ってきてくれます。
こうして、新しい自己表現法を見つけつつある彼の成長を、改めて心から楽しんでいるお母さんとセラピストたちなのでした。

(Wave-DRUM、音はその1シーンの音声です♪)

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