2015年01月01日
新年、あけましておめでとうございます。
昨年末は、12月26日に、MTN心のおしゃべり音楽工房上馬5丁目音楽室での今年の個人セッションがすべて終了し、仕事納めをしました。 昨年もそれぞれ月1回~2回伺う6か所の施設と1病院の他に、この音楽室にて、のべ23ケース 339セッションを実施させていただきました。 うち、インテークのみだった方1ケース、インテークのみを年内に行なって来年から本格的に開始される方1ケース、一度修了していて、季節ごとのアフター・ケアセッションにいらっしゃる方2ケース×2回を含みます。
音楽療法は今、ある程度勢いを持って普及しつつありますが、殆どは病院・施設内での集団(グループ)セッションであり、特に幼児期~学齢期の個人セッションの受療希望ニーズに本格的に応えることのできる音楽室は全国的にも決して多くはないようです。 しかも、ピアノのレッスンなどとの併存ではなく、あくまで音楽療法を中心とした個人療法室となると、さらに少なくなるようです。
こどもたちのための個人療法は、当然のことではありますが、ケースごとにまったく内容が異なります。即興の使い道、その意味、既成曲の選曲ジャンル、その使い道、さらに「言葉」の使い方、コ・セラピストの役割(クライエントにとってのどのようなパートナーなのか)などが、開始後まもなく、徐々に対象児ごとにカスタマイズされていくのです。
けれど、目指すべき成果というものは、1つは音楽療法に限ったものではなく、こどもたちが使える限りの言葉と非言語メッセージによって、自分の意思を周囲の人に伝えることができるようになること、そして、その子に向けられた話しかけをきちんと聴こうとし、その子なりに理解しようとし、その子にできる方法で答えようとしてくれるようになることです。これは、生きていく上で最も実用的な必要技能となるからです。広い意味では、目が合う事や追視ができるようになること、手足や表情などを少しでも自在に動かせるようになってもらうことも、この目標につながっていきます。
そしてもう1つは、おそらく音楽にしかできないだろうと思われること、すなわち、一人一人のこどもたちが音楽の感動によって自分の「いま」を超え得るような特別な意識体験(時には達成感に満たされる体験、時にはトランス、すなわち変性意識状態におけるピーク体験)を経験し、自らの内なる創造性を刺激されてよりよく生きるエネルギーをもらって帰ってくれるようになることです。
極端なことを言うと、これらの体験の積み重ねこそが、こどもたちが二次障がいの類に陥る可能性を遠ざけていく、という実感が私にはあるのです。なぜなら、自らを創造しようとするエネルギーこそが自らを破壊しようとするエネルギーと対決できる唯一の力であるからです。
さあ、昨年はそれがどこまでできたでしょう。 そして今年も、一つの妥協もなく全セッションでこれを目指していける私たちでありますように。
では皆さま、セラピスト一同、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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