2021年03月01日
統合失調症に罹ってしまっても、普通に教育を受けて育った方達は、エネルギーのある若いうちはなんとかコントロールして働きながら、たまに入院して心身を休ませ、また社会に戻って、週1、2回くらいデイケアに来て安心できる活動時間を持ちながら頑張ることができるようになる。…と、これがまぁ、言ってみれば理想的な生き方ではあるのですが、みなさん「一歩先は闇」を地でいく毎日なので、短期間で挫折を余儀なくされてしまうこともしばしば。それでも、ご家族と住まいながら、働かずにデイケアに通うことができる生活が可能な方もいて、そういう方はまだQOLは高い方と言えると思います。特に女性で、お母さんとの関係が良くて、前述のような生活ができていると、お薬の効果もあってストレスが最小限に抑えられるからなのか見た目に老化もしにくく、いくつになっても素直で愛らしい人が多いです。働きに出ることは自他ともに諦めて、デイケアでじっくり仲間との交流を積み重ね、そのままグループホームか入院で淡々と充実した毎日を過ごしていく、という生き方を手に入れることができた方たちは尊敬できます。
さて、そんな素直で愛らしい 50歳以下のPops好きな姫たちに、先日この曲をYouTubeで聞いてもらったら、3分の2の人たち(Yes!ということでグループYと呼びましょう。)が面白かったと言って気に入ってくれたのですが、3分の1の人たち(グループNと呼びましょう。)は、気分が悪くなったと言いました。グループYとグループNの違いを考えてみたところ、そこには、自分の感情を表に出すタイプか出さないタイプかの違いがあるように思われました。出すタイプはグループN、出さないタイプはグループYです。当たり前みたいな話ですが、これは精神の病気と日々つき合っている方たちの話で、この疾患の持ち主の中でグループNはむしろ少数派だと思われます。
一方、精神的に健康な大人たちは、自分の感情を出す出さないについて日頃TPOを考えてコントロールし、出さない事であまりストレスが貯まらないようにしているもの…だと思います。それでも相対的には、やや余分に感情を表に出すタイプと出さないタイプに分かれるのではないでしょうか。でも、だからといって前者がこの曲を嫌いと言うかというと、そんなことはないでしょう。特に昨今のコロナ禍では、言ってもしゃあないこととして、敢えて口にしないストレスが誰にでもあります。そこに、この曲はスーッと入ってきたなと思います。そして、中年以降になって、日頃たくさん頑張って生きてて、だからこそ自己表現OKの場では、おしとやかさとか臆するとか、そういう控えめさがあまり必要なくなって来た世代にとって、この広瀬香美さんの表現はやはりスカッと笑えます。応援したい。うん。再生数ハンパない話題のYouTube動画ですって。
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