スタッフ日誌

中井深雪

2017年05月14日

みんながやりたいことがやれるNPOへ 〜セラピスト編〜

新たに門を叩いてくれたセラピストたちは、さまざまな状況にありました。でも、多分これまで傍にいてくれたシスターズと変わらないことは、「音楽を学んで来て音楽療法に携わる者として、揺るぎない自信が持てるようになりたい」という思いなのではないかと感じています。まだ、私にそういうお手伝いができるのであれば、もう少しその役割を続けてみよう、と考えています。

ただ、これまでと少し違うところもあるようです。


NPOになる前の団体は、本当にごくごく限られた、志しの高いセラピストの卵たちだけが、自らの目で選んでくれての「入門」のような就職でした。彼女たちは、生活を保証してあげられるだけのお給料が出せない中、他のアルバイトや他の請負をしながら、懸命に研鑽を続けてくれました。
でも、そこで自分ができること、できるようになりたかったことを一通りマスターすれば、次のステージへとステップアップのため、あるいは環境の変化を機に巣立って行きました。

ただ、これは決して報酬の額のためだけの問題ではなく、入門者・入職者を問わず、いまやあらゆる企業・団体の宿命なのだということを、最近中小規模のれっきとした株式会社の社長さんと話していて認識しました。

非営利事業者ではない企業が、自社の利益=社員の生活の保証のために在ると同時に、その社員たちの生活のために商品を購入してくれるお客様のためにも在るのと同じように、…と言えるところが在るとしたら、

NPOは会員のために存在し、会員にはセラピスト会員とクライエント会員がいて、その会員双方の利益のために、共有できるインフラや備品、情報、そして特定の場などが在る、というところは同じかもしれません。でも、NPOはそのサービスを買っていただける先、あるいは買うのではなく、支援してくださる先を、たとえば仕事に関連のある企業に、たとえば支援を志してくださる一般市民の方々や助成団体などに求めます。そして、会員には生活原資ではなく、活動のための経費の収集配分と、共有できる音楽療法ノウハウや楽譜、楽器といった、セラピストには技術や考え方を磨くための、クライエントにはご本人とご家族や介護者たちの人生をより豊かにするための、音楽療法実施のためのお金以外の原資を保証するために在る、という風に言えるのではないでしょうか。

そんな中、セラピスト会員は、20年前よりだいぶその道の選択肢が広がって来て、音楽療法士になって、どんなことがやりたいのか、というところは、セラピスト会員それぞれに異なるようです。

「今の職場は常勤で働いていますが、音楽療法はやらない、と明言しています。でも、なんとかして音楽活動を音楽療法にしたいし、それを職場に認めてもらえるようになりたい。だからいろんな知見を授けてくれる先輩に出会いたい」

「よりよい就職のためにも、と認定取得後、他職種の資格取得に向けて勉強していますが、それはよりクライエントの人生に密着できる音楽療法士になりたいからなんです。でも、あくまで音楽療法士をメインにしたいから、本業に自信が持てるまで鍛えてください」

「いつか、音楽療法が主活動であるような施設を作りたいと思っています。だからそのために、後ろ盾になってくれたり、看板を共有させてくれるような法人を探していました」

「地域の活動をもっと広げたいと思っています。手を貸してください」

「即興が苦手です。どうしてもできるようになりたいので教えてください」

「複数の施設で非常勤講師として、あるいは委嘱報酬をいただいて活動していますが、その窓口を一本化して、保険などの保証や実績を得たいのです。会員になったらそんなサービスも受けられますか?」

「演奏家、作曲家として活動していきたいのですが、音楽療法については現場経験があり、もっと学びたいし、できれば音楽療法士にもなりたいから一緒に活動させてください」

NPO法人心のおしゃべり音楽工房は、これらの問いかけに対し、答えはすべてYes!です。

人手やお金の面でできないことも出て来るかもしれませんが、結婚、出産、介護、と、人生の中で何度かの転身を余儀無くされる事が多い女性だからこそ、そして、音楽療法が、そんな女性だからこそ向いている職業であるからこそ、未来に向かって、クライエントのためにも、そんなセラピストたちを支援します。

自分自身が成長するためだけではなく、音楽療法を必要とするより多くの市民の力になれる音楽療法士になりたい、という思いは本当に素晴らしいと思うのです。これは、言うほど簡単なことではありません。音楽療法士が音楽療法を継続する力を得るためには、生活力とか持続する向学心とか体力・能力・努力など、たくさんの個人の力を注がなければならないからです。

クライエントにとっての音楽療法はもちろん、そんな個々のセラピストにとってもまた、やりたいことを実現できるような活動法人になりたい、とKooK、こと、心のおしゃべり音楽工房は願っています。

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