2018年09月17日
今日、安室奈美恵さんが満40歳の誕生日に引退されました。
私より一回り以上若い世代の女性たちにとっての、時代のシンボル的存在だった方なのですよね。
安室さんの歌は、この20年、私の児童・成人・精神科臨床中に、対象児・者からリクエストをいただいたのは、オリンピックの主題歌だった♪Hero 以外は、♪Can you cerebrateが2,3回と、♪Sexy Girl が1回、くらいだったと思います。その理由とか意味については他方面での分析にお任せすることにして、こういう日の事はちょっと書いておくと後で懐かしいかな、と思い、今日書こうと思っていたテーマの前に書いてみました。
一方この日の私は、12月の日本音楽医療研究会で改めて発表を予定している、旧前団体(MTN世田谷対話音楽工房)時代の2003年に日本音楽療法学会学術大会で発表した、「CUTES」という選曲提示技法についての過去資料を探していました。
改めて発表を、というのは、この2年間ほど、2003年に中軽度知的障がい者の方々の授産施設で学ばせていただいたアプローチ法内容の精神科への応用を目指していたのでしたが、精神科についての発表の前に、やはりかつての施設での調査・研究実績を一度まとめ直してCUTESの考え方を発表する、という方向性をスーパーヴァイザーの先生が打ち出され、今、これに添って進めているため、当時の生記録がないことには話にならないなーと思ったのです。
今まであまりこうした研究作業的なことは書いたことがなかったのですが、後進に情報を残しておくためにも、今回はここ10年間ほどのITの発達により臨床記録データの保管についてどのような変遷があったのか、まとめて書いておこうかなと考えました。
KooKでは、記録はケース毎、施設毎にファイルメーカーというデータベースにしてあるのですが、2003年当時の同ソフトのVersionはとても古く、現行のVersionでは開けません。
また、現在は主にApple PCを重用していますが、2014年頃までは、Windows PCを主に使用していました。
1998年に本格的な臨床を開始した頃、Windows98の出現によって、それまで併用していたMacを離れたのです。そしてまた戻ってきました。
2014年〜16年頃までは、Win機とMac機をほぼ均等に併用していたのですが、携帯電話がAndroidからiPhoneになるとiPhone,iPad,Macの連携が便利で、すっかりWin機はサブ機になってしまいました。
そして、2015年末にNPO法人が立ち上がって以来は、主活動場所である旧来の音楽室にもデスクトップ型のApple PCを導入し、ここで録音も可能なスタジオ使用も目指すことになったのです。
1998年から2012年頃まで、歴代のPCはすべてNote PCでした。やがて内蔵HDD(ハードディスクドライブ)がSSD(ソリッドステートドライブ)に取って代わり、より軽く、より薄くなっていくNote PCの常に先駆的なスペックのものを追いかけていた私ですが、内蔵記憶装置の容量が大きいと購入価格が跳ね上がることやデータの維持リスク・移行時間が増えることなどを理由に、持ち運び用はSSD 256GB程度にしていました。けれども、臨床研究の記録,セッションの記録VTR,音声データなどが増えて行くにつれ、これらの管理・保存を外付けHDDにだけ頼っていては、外部スタッフとの共有もしづらく、すぐにアクセスしたい時などに機能的に不便だと思うようになっていきました。
世間で、「クラウド」が一般的に実用化され始めたのはちょうど2010年を超えた頃からだったのではないでしょうか。
2011年、家族の留学に伴い、2ヶ月半もの長期、日本を離れることになった時、私は距離を超えてスタッフとデータを共有する為、EvernoteやSugarsyncを活用し始めました。
そして2015年〜2016年にかけて、本格的にApple PCに移行しつつ、NPO法人向けのGoogleのサービスを導入し、Google Driveの利用に切り替え、同時に個人的な研究資料はiCloudで管理する、という方式に切り替えました。
これによって、起動ドライブ(Win機でいうCドライブ)の記憶容量を示すバーがすぐに赤くなってしまう(つまり空きが足りない)という状態から解放されました。
データの保管という意味でも、クラウド領域と手元の外付けHDDのダブルシステムになり、やや、より安心・安全、と言えるようになりました。
「やや」、と言ったのは、手元のHDDというのは寿命もあり、振動にも強くないので、必ずいつかは壊れる、と思っておいた方が良い、という経験もしているからです。そっと使用し、2年超えたら、できるだけ早く新しいものを購入してデータを移行していつ壊れてデータが消えても困らないようにしておかないと泣き寝入りになります。クラッシュ・データの復旧には、2GBでも40万くらいかかるらしいからです。よほど会社に資金がないとできませんよね。
ちなみに、古いVHSビデオテープも、できるだけ早く取り込んでメモリデータにしておかないと、カビて二度と見られなくなることがあります。しかも、自分が出ていたTV番組の同録ビデオであっても、著作権法によって、どんな業者さんも復旧してはくれないのです。どうぞ皆さまはお気をつけてくださいませ。
さて、以上のような変遷過程で、内外スタッフと共有する必要のない古い記録データは、クラウドサービスにも契約容量があるので、普段アクセスの必要がなければ手元の外付けHDDの中で休眠してもらっていました。
ところが今年の3月に、GooleドライブがGooglefilestreamというシステムに全面移行してGドライブが使えなくなった時、サービスの切り替えが遅れたサブのWin機が動かなくなり、じっくり向き合う時間がなくて放置していた為に、Win機で管理していた外付けHDDにアクセスできなくなってしまったのです。
忙しさに紛れてそのままになっていて迎えた今年の8月中旬、バカンスで海外に行く直前に、愛用していたMacのNote PCがアクセス不能となりました。
なんてこと!
とうんざりしましたが、この時、実はこれまでの30年間のPC利用史の中で初めて、冷静にPCを初期化し、システムのクリーン・インストールを行い、GooglefilestreamとMacのTimemachineとiCloudを使ってデータを復元し、最小限のストレスで、たった3、4時間ほどで、使えなくなる前の状態に戻すことができたのです。
ついにここまで来た!と思いました。
もう、データがなくなったり、ソフトウエアは何もかもインストールし直さなければならなかったり、二度と使えなくなるアプリがあったりといった暗黒のストレスからは解放される時代になった!
感慨深い出来事でした。
こうなると俄然勇気が湧き、冒頭にお話しした必要な古い記録ファイルがどこに眠っているのか見つけなければならない件も、先週の木曜日についに解決できました。
Win機が動かなくなっていた症状は、サービス終了していたGoogleドライブアプリのアンインストールをすることで解消され、もうすでに、Win機本体のSSDには、Googleクラウドと同期しているファイル以外は全て、他の外付けHDDにも保管されているものだけなので、心置きなく影のサブ・サーバー的な役割に戻してあげることができました。そして、Win機からでないと操作できないファイルシステムのHDDの中から、必要なファイルを見つけ、Win機にのみ残してあった旧バージョンのファイルメーカー・ソフトで、現行バージョンに変換できるバージョンまでの変換ができることを確認して、ホッとしたのでした。
とてもとても長くなりましたが、Win NoteからMac Noteへの主使用機器の変更の歴史、データが256GBぽっちのPCには収まりきれないために外付けHDDで管理したものの、外付けHDDも壊れることがあったという苦い記憶などを経て、GドライブとiCloudを常用するようになった経緯が伝わったでしょうか。
いつか若いスタッフに、ちゃんと引き継げるようにと思い、書いてみました。
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