スタッフ日誌

2018年01月30日

「合わせる」ということ

雄太が初めて人前で「まともに」演奏できるようになった時のことをお話しします。

音楽が大好きな気持ちを素直に表現できるようになってからも、雄太は積極的に人前で演奏をすることはしませんでした。
小学校の音楽の授業は、教室の端で棒を持ってニコニコ座っているだけだったし、ピアノの発表会では嬉しそうに弾くものの、テンポなどほとんど気にしない自由な演奏でした。
私も、雄太が誰かのために演奏する日がくるなんて、全く考えていませんでした。

中学に入学し、ふたつの出会いがありました。
ひとつは、本格的に指導してくださる外部講師の音楽の先生。もうひとつは、音楽の知識に詳しい支援員の先生。
支援員の先生が、休み時間に気まぐれにピアノを弾く雄太の姿に才能を見出してくださり、褒めてくださいました。
音楽の先生は、1年生の時から、雄太に合唱コンクールの伴奏を、と依頼してくださっていたそうです。(当然本人は即断っていました)
合唱コンクールの伴奏だなんて…絶対無理(皆さんに迷惑をかけてしまう)と私も思ったので、学校に行った機会に私からもお断りしたのですが、「雄太くんなら必ず出来ると思います。」と先生に言っていただき、本当にびっくりしたことを思い出します。

3年生になった時、「今年は合唱コンクールの伴奏をやります!」と、本人が言いました。
これまでの先生方のお話を、本人なりに考えていたようです。
課題曲と自由曲、両方弾く!というので、私はドキドキ。
音楽の先生から、課題曲は楽譜通りに、自由曲は雄太のアレンジが素晴らしいので自由なアレンジで、と言われました。
ピアノの先生のご協力もあり、課題曲は楽譜通りマスターすることができました。自由曲は…たしかに毎回アレンジが面白いのですが、毎回テイストが違いすぎて安定しません。これでは合唱が歌いにくいのではないかと思い、「どんなアレンジでも良いからひとつに決めよう」と話したのですが、なかなか決められず…。
どうなることかと思いました。

…で、どうなったかというと、試行錯誤の末、本人が「楽譜通り」と決めたのです。
そこでまた、ピアノの先生に特訓していただき、なんとか仕上げることができました。
雄太のアレンジをとても気に入ってくださっていた音楽の先生には申し訳なかったのですが、本人が考えて、実際に色々やってみて、「楽譜通り」と決めたことには大きな意味がある、みんなと「合わせる」ことを重要視したのだろうと、先生方みなさん喜んでくださいました。

緊張の当日。残る心配は、気まぐれにテンポを変えたりふざけてしまったりするのではないか…ということでした。
でも、本当に立派に弾き切りました。しっかり指揮を見て、テンポをキープして。
伴奏者として、しっかりと役割を果たした、と感動しました。

クラスのみんなと心を合わせて成功させた合唱コンクール。「優秀伴奏者賞」までいただけて、本人の大きな喜びと達成感になったことは間違いありません。

動画もありますので、もしよかったらご覧いただけると嬉しいです。

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